【離婚準備どうする?】財産分与で揉めないために。財産の分け方

財産をどう分けたら良いのか?

独身時代の財産は自分自身のものですが、結婚してから築いた財産は、例え夫婦の収入に格差があったとしても、これは共有財産となります。離婚する際には財産分与として分けなければいけません。

1.清算的財産分与

清算的財産分与は共有財産を築くのにどのくらい貢献したか、という割合を出してその割合に応じて財産を分けることです。一般的な家庭では家計をメインで支えるのは男性です。しかしだからといって、妻側の寄与度が低くなるというのは公平ではありません。このため基本的に夫婦で築いた財産は、半分ずつとするのが一般的です。男性が外で働けるのは、家で支える女性がいるからだ、という考え方です。ただし、会社の経営者やスポーツ選手など、自らの才覚で多額の財を成したという場合には、丸ごと半分というわけにはいきません。こうした特殊な時には、ケースバイケースで寄与度を算出しなければいけません。

2.扶養的財産分与

例えば奥さんの側が長く専業主婦だったり、病気がちであるなどのケースで、離婚後に1人で自立して生活するのが難しいという場合には、これがみとめられます。専業主婦の場合には、仕事を見つけて、生活を立て直すためには3ヶ月~半年は最低でもかかるでしょう。このため、離婚後に配偶者を支援するために行われます。「離婚後〇年間、毎月〇万円を支払う」という風に給付するもので、この給付がある期間に生活を立て直すようにします。どのくらいの金額を支払うのか?というのは払う側の年収や受け取る側の状況によって変化します。

3.慰謝料的財産分与

浮気をしたなど、離婚の原因がどちらか一方にある場合には慰謝料の意味を込めて給付する財産分与があります。本来であれば、浮気をした側が慰謝料を支払うのが当然なのですが、「浮気はしたけど、俺は悪くない!慰謝料という名目では絶対にお金は払わない!」と、ごねたときの場合には、慰謝料と言う名目を使わずに財産分与と言う形で慰謝料を含んだ金額で財産を分けることがあります。

財産分与のタイミングはいつ?

財産分与は離婚してから2年以内に行わなくてはいけない、と法律で定めています。もし2年を過ぎてしまうと、財産分与として相手に請求することができなくなってしまうのです。

しかし、離婚をしたあとに、元配偶者にたびたびあって財産をどうするのか話し合うというのは現実的ではありませんし、逃げられてしまってはどうしようもありません。

そこで財産分与は離婚協議と同時に行うが一般的な流れとなります。離婚の協議と同時に財産分与についても話ができるので弁護士に依頼をするときにも一石二鳥ですね。

ただし、相手からの暴力があるなど、ゆっくり話し合っていられない場合には、とりあえず離婚だけを成立させてしまい、のちほど安全が確保されたうえで、財産分与を求めるというケースもあります。

財産分与はどんな手順で進める?

まず財産分与は資産価値のある財産をリストアップするところから始めます。資産価値のあるものとは、お金、もしくは換金することができるものです。

例えば、現金、預貯金、不動産、自動車、自宅、貴金属、美術品、家電製品、株式、有価証券、ゴルフ券、生命保険、学資保険などです。また、プラスの財産だけではなく、マイナスの財産、つまり住宅ローン、自動車ローン、学資ローンなどの借入金も含まれます。

リストアップの作業が完了したら、その財産が共有財産なのか、個人の財産なのかを分けます。財産分与で分けられる財産は共有財産なので、結婚してから二人で築いた財産です。結婚前の貯金、結婚前の借金は共有財産になりませんので財産分与することはできません。また遺産相続で発生した財産も共有財産には該当しません。

プラスとマイナスの共有財産が把握できたら、財産の総額を出します。この残った金額が財産分与の対象となります。一般的に女性が専業主婦であっても、家計への寄与度は同等と考えられるので、半分にするという形になります。

共有財産が現金などきっちり分けられるものは、半分にすればいいだけなので、それほど大きな問題になりません。問題になるのが分割するのが難しいものです。しかし家や家財道具など分割できないものを分ける時には面倒です。どちらかがその財産を取得し、その代わりに財産分与との差額を支払わなければいけません。

財産分与の例

zaisannwakeru

例えば、2000万円の価値のある住宅を所有しているのであれば、住宅を取得する側が取得しない側に1000万円支払わなければいけません。貯金も同様です。これができない場合や、双方ともに財産の取得を望まない場合には、売却して代金を分けることになります。

財産分与の手続きはどうする?

財産分与は当事者同士の話し合いで決めることができます。双方の合意が得られればいいので、離婚協議と同時に進めるのが一般的です。財産分与の内容に納得できた場合には、その合意内容を盛り込んだ「離婚協議書」を作成します。財産分与に関しては特に書面に残さなくても有効なのですが、あとで言った言わないという話にならないように、書面を作成するのが一般的です。また財産分与も一括で支払われることはほとんどありません。現金以外の不動産などは売却して分割しなければいけないもおも多いので離婚が成立してからということも多いです。このため分割に関しても公正証書にしておくと安心です。

当事者同士での話し合いが上手く行かない場合で、まだ離婚が成立していないのであれば家庭裁判所の離婚調停の際に話し合うことができます。調停をしてもまだ、合意が得られない場合には一般的に離婚裁判ということになります。先に離婚をしてしまった場合に財産分与がうまくまとまらないというなら、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。それでも合意ができないときには、審判となります。

財産分与の合意が得られないまま、勝手に不動産を処分したり、預貯金を隠されてしまうと、正しい財産分与ができなくなってしまいます。そこで勝手に財産を処分したり隠したりしないように「審判前の保全処分」という命令を出してもらうことができます。

また、調停や審判が申し立てられていない時でも、担保さえあれば、裁判所に売買禁止の仮処分を申し立てることもできます。

目次 慰謝料を請求して浮気した夫と今すぐ離婚する方法